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捨てる勇気2014.10.1

吉田薫の「Management & Golf」
仕事(マネジメント)を通じてゴルフを知る、ゴルフを通じてマネジメントを知る。
マネジメントとゴルフに共通するテーマを考察し、双方のレベルアップを目指したコラムです。


「捨てる勇気」

港では多くのゴルフ雑誌が発売され、そのどれもが「こうすればもっと飛ぶ」「こうすればスライスが直る」「プロはこうしている」などテーマを工夫して記事が書かれています。なるほど!!と納得させられることもたくさん書いてあります。しかし、アマチュアゴルファーがこんなにも多くの情報をインプットして、果たしてアウトプットにつながるのかどうか?

ゴルフのスイングは、始動からフィニッシュまでわずか2秒足らず。この間に「テークバックでフェースを開かないように、手が腰の高さにきたらコックをはじめ、角度はこのくらい。トップではオーバースイングに気をつけ、ダウンスイングはインサイドアウトに。あっそうそう、カラダの軸がブレないように気をつけて。インパクトでは左足に体重をしっかり乗せながら左サイドに壁を作り、フォロースルーはなるべく大きく……」など、あれやこれやと考えながら良いスイングができるはずがありません。練習場などで仲間同士がお互いにアドバイスをしている光景もよく見かけます。ミスショットをするたびに「いまのはこうなっているから、ここをこうしなければ」と、じつに多くのアドバイスが飛び交います。ゴルフについては情報過多の人が多いので、アドバイス自体は間違ってはいません。アドバイスを受けた人は、それに従って数球打ち、また次のアドバイスで数球打つことを繰り返します。ところが、実際のところ数球打ったぐらいで身につくほど易しくないのもゴルフ。その結果、いつまでたっても上達しない、ひどい場合にはスイングがどんどん悪くなってしまうこともあるのです。

ゴルフ上達のプロセスで、本当に役立つ留意点はほんのわずか。大半のアドバイスは無用のものです。自分で「これだ」と心に響いたひとつ(多くて3つ)の留意点に愚直に取り組み、身につけた人こそが上手くなれます。そのひとつをクリアしたら、次の課題へと取り組めばいいのです。

企業でも取り組むべき事項を立案するにあたって「これもすべき、あれもすべき」と欲張って実施項目をあげる傾向があります。たとえばリスクマネジメントに取り組む場合「本年度は全社で、情報セキュリティ対策と、大地震や新型インフルエンザに備えた事業継続と、セクハラ対策と、内部統制と、品質対策と……に関する仕組みをしっかり作って実践する」など。しかし、そのほとんどはおそらく機能しないでしょう。限られた経営資源で

できることには限界があります。また、部下を育成するのは上司の責務ですが「ああしろ、こうしろ」とやたら多くを指示するのは良い上司とは言えません。過剰な指示に対し、かえって部下は手を抜きます。部下をよく理解し、真に取り組むべきことを指導する、これこそが真の育成でしょう。

「いま本当にすべきこと」「やらないよりやったほうがいいこと」「できること」「できないこと」を見極め「やる」と決めたこと以外を捨てる勇気、決めたことをやりきる実行力が重要なのです。
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【プロフィール】
吉田 薫(よしだ かおる)(1966年10月27日生まれ)

一般社団法人中部産業連盟 コンサルティング事業部 主任コンサルタント
業務・品質改善、リスクマネジメント(コンプライアンス、内部統制、事業継続管理(BCP)、情報セキュリティ 他)、CSR、経営戦略、ISO、組織活性化、海外販路開拓などに関するコンサルティングや研修を実施中
名古屋大学在籍時には体育会ゴルフ部主将
富士OGMエクセレントクラブ伊勢大鷲コース所属 ハンディキャップ1
クラブチャンピオン4回獲得(双鈴ゴルフクラブ)
お問合せやご意見は yoshida.kaoru@chusanren.or.jp

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