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「カタチ」だけ2015.4.1

吉田薫の「Management & Golf」
仕事(マネジメント)を通じてゴルフを知る、ゴルフを通じてマネジメントを知る。
マネジメントとゴルフに共通するテーマを考察し、双方のレベルアップを目指したコラムです。


「カタチ」だけ

ゴルフに必要なのは、ボールに十分な力を正しい方向に伝えること、すなわち高校の数学や物理に出てきたあの「ベクトル」です。矢印の長さはベクトルの大きさを、矢印の向きはベクトルの方向を表わしましたね。長い矢印がフェアウェイの真ん中を指していれば良いのです。これがゴルフの本質なのですが、なかなか十分に理解されていないのが現状。

たとえば、ゴルフ雑誌に載っているレッスン記事(アドバイス)はすべてこの本質を実現する手段です。にも関わらず、それらのアドバイスを「カタチだけ」取り入れている人があまりにも多いのではないでしょうか。スイングがきれいなのにボールが飛ばないケースは特に問題。美しいスイングはゴルフの本質を追究し、無駄な動きを省いた結果であり、それ自体が目的になってはいけないのです。常に新しいクラブに頼るのも「カタチだけ」の上達志向と言えます。

ベクトルのふたつの要素である十分な力と正しい方向はどちらも必須ですが、二兎を追う者は一兎をも得ず。アマチュアゴルファーの多くは十分に力が伝わっていないので、まずこの一点に集中すべきと私は考えます。そのためにはヘッドスピードを測りながら練習するのが最も効果的。測定器を活用し、素振りでもボールを打っても良いのでとにかくスピードアップを目指します。手首を使ったり、体重移動したり、体を大きく捻ったりなど、ヘッドスピードが少しでもアップしたことを体に定着させます。このときには雑誌などのアドバイスも参考になりますが、採用するアドバイスは自分のヘッドスピードが上がったものだけです。ボールを打って真っすぐ飛ばなくても嘆かない。まわりの目を気にしてはいけません。十分な力を伝えるという本質のみを追究してください。自分に限界を作らず、とことんヘッドスピードをアップ、できれば50m/sに達するレベルを目指します(ただし、事前に体のストレッチをお忘れなく)。そうしてヘッドスピードを出すことができるようになってようやくひとつの要素が達成できたといえます。あとは少し力を抜いても以前とは別人の力強いスイングですから、もうひとつの要素=正しい方向に取り組みます。

ビジネスにおいても「カタチだけ」で失敗する例は多々。最新のコンピュータシステムを導入したが仕事の効率があがらないという事例では、仕事の流れを十分に検証し、どこにどのような問題があるか、どんな姿を目指したいかを決めないままに道具だけを導入したに過ぎません。トヨタの生産方式=“かんばん方式”を導入しても上手くいかないという事例では、平準化、後工程引き取り、自工程完結などを追究することなく「カタチだけ」真似たということです。さらに、品質マネジメントシステムであるISO9001を取得してもいっこうに品質が向上しないなら、それは品質向上に目を向けるよりISO審査に合格するための資料作りに翻弄されただけ。どれもが本質を追究することなく「カタチだけ」から入って失敗した事例です。

ゴルフもビジネスも、本質を追究することなく「カタチ」から入っても上手くいきません。



【プロフィール】
吉田 薫(よしだ かおる)(1966年10月27日生まれ)

一般社団法人中部産業連盟 コンサルティング事業部 主任コンサルタント
業務・品質改善、リスクマネジメント(コンプライアンス、内部統制、事業継続管理(BCP)、情報セキュリティ 他)、CSR、経営戦略、ISO、組織活性化、海外販路開拓などに関するコンサルティングや研修を実施中
名古屋大学在籍時には体育会ゴルフ部主将
富士OGMエクセレントクラブ伊勢大鷲コース所属 ハンディキャップ1
クラブチャンピオン5回獲得(伊勢大鷲1回、双鈴ゴルフクラブ4回)
お問合せやご意見は yoshida.kaoru@chusanren.or.jp

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